読書メモ

「クリトン」によってソクラテスは伝説級の偉人となった。

kuriton

さて、ソクラテスと言えば、弟子のプラトンの手によって、多くの本が書かれている。

その代表格と言えば

「国家」であろう。

その他にも、ソクラテスの死のきっかけとなった裁判を描いた「ソクラテスの弁明」

プラトンの超代表的な哲学である”イデア”を初めて唱えた「パイドン」などが挙げられるだろうか。

どれも最高峰の書物であることは、疑い得ないが個人的にはダントツで「クリトン」を推したい。

なぜなら、ソクラテスの全ての哲学に、強い説得力を持たせることとなった書物と言えるからだ。

1.「クリトン」ってどんな本なの?

ソクラテスは、「国家の認める神々を認めないかつ、青年たちに有害な影響を与えた罪」によって、民衆から死罪を言い渡される。この裁判の様子を描いた書物がかの有名な「ソクラテスの弁明」である。

「クリトン」は「ソクラテスの弁明」よりも少し後の物語で、牢獄の中で一人、死を待っているソクラテスと、彼を死罪からなんとか救いたいと考える友人、クリトンとの対話を描いたものである。

2.あなた(ソクラテス)は嵌められたのだ!だから一緒にここをでよう!

これが友人、クリトンの主張である。

それに対してソクラテスはこう答える。

ぼくという人間は、自分でよく考えてみて、結論としてこれがぼくのうちの最上だということが明らかになったものでなければ、他のいかなるものにも従わない人間なのだ。

つまり、君(クリトン)と対話をしていく中で、脱獄し、生きながらえることが善(徳)だと明らかになったのなら、脱獄するし、そうでないのなら、僕は死を選ぶよと言っているのである。

ここから、対話が本格的に始まる。

3.善(徳)ってなんだろう?より善く生きるってどうゆうことだろう?

それは、「不正」を一切働かないことだとソクラテスは言う。たとえそれが、不正な目にあったことに対する仕返しだとしても許されないと。

では、もし僕(ソクラテス)が脱獄をしたら、それは国家に対する不正ということにはならないだろうか?

確かに死罪に問われたのは、何者かの陰謀であり、謂れのないことなのかもしれない。しかし、この判決が不当であろうと国のルールに則って下された判決なのは間違いない。

その判決を無視して、脱獄することは、国家への不正と言わずなんと言えよう。

自分は今まで、この国家がつくった法律に守られ、生きてきた。70年もの月日をこの国で過ごしてきた。もしこの国の法が気にくわなかったのなら、出て行くことだって出来た。だけど自分はこの国に留まってきた。この国が好きで留まってきた。

なのに、いざ死を目前にしたからといって、この国家の法に欺いていいのだろうか?

いや、それはよくない。だってそれは「不正」だもの。

こうして、ソクラテスは毒人参の杯を飲干し、絶命したのである。

4.死を目前にしてもなお、自分の哲学を貫き通す。これがソクラテスを伝説級の偉人にした。

冒頭でお話ししたとおり、「クリトン」はソクラテスの代表作として数えられることは少ない。あくまで善く生きるということを、物語に沿って話しただけで、哲学界に衝撃を与えるほどのなにかを生み出したわけではない。(イデア説のような)

でも、自分の哲学に反することをするくらいなら、死んだほうがマシだわ。と、己を貫く姿勢を「クリトン」で見せたことにより、ソクラテス哲学にとても大きな説得力、真実味を持たせたと言える。

だから、僕は「クリトン」という本が大好きなのだ。(少し地味だけど)

5.節操のないことをしないで自分を貫き通そう!

「クリトン」から学べることは、自分の信じた道をひたすら進もう!ということに尽きると思います。

僕なんかもそうなんですが、考えがコロコロ変わって本当に節操ないなぁとか思うわけです。人の考え方とかにがっつり影響受けてしまったりとか。

それはそれで一概に悪いことじゃないのかもしれないけど、これだけは譲れない!という自分なりの哲学を持つ必要があるのではないかなと「クリトン」を読んで感じました。

補足メモ1

実際、ソクラテスは、彼を恨んでいた人間(メレトス・アニュトス・リュコン)に謂れのない罪で告発され、遂には死罪を言い渡されている。

補足メモ2

ちなみにソクラテスには愛する家族がいた。クリトンから、「死を選ぶということは家族を見捨てるということだ。無責任とは思わないのか!?」と問いつめられたが、それでもなお自分の哲学を貫き、死を選んだ。

あるぱか

あるぱか

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