起業
誰もが一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。しかし、3年以内には実に70%もの会社が表舞台から去ると言われるほど、その道は厳しく険しい。
そんなリスクの高い起業を成功させるために必読と言われている本の一つがコレ。
マイケル・E・ガーバーが書いた「はじめの一歩を踏み出そう」です。名著なので、当然ながらamazonレビューもすこぶる高い。
ちなみに、このカーネルサンダースそっくりのおやじが著者。
うさんくせーwwwww
でも、この人、7万社のコンサルに携わったり、著者が世界で700万部売れちゃったり、その実力は折り紙つき。
今日は、この本の内容について、「なるほどなぁ・・・」と感心させられたものを中心に紹介していきたいと思います。
なぜ多くの人は起業に失敗するのか?
その理由ついて、マイケルおじさんはこう言います。
事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力が十分あると多くの人が勘違いしているからだ。
おじさん曰く、起業を成功させるためには3つの人格を備えている必要があって、それは「起業家」「マネジャー」「職人」であると言います。
起業家は将来のビジョンを描き、事業のブループリントを描くために必要であり、マネジャーは財政面や効率のいい仕事を管理するために必要であり、職人は事業を遂行するためのプレイヤーとして必要となる。
言うなれば、こうゆうこと。
起業が頭脳として将来を展望し、マネジャーが脚として事業を影から支え、職人が手として日々のタスクを実行していく。起業を成功させるためには、この3つの人格がそれぞれ機能する必要があると、おじさんは言います。
しかし、起業に失敗する人の多くは「職人」の人格だけを持っていれば、起業という荒波を乗り越えていけると勘違いしている、だから失敗するんだと。
例えば、会計事務所で有能な社員として働いていた=独立しても成功するでしょ!という発想で起業すると、後々痛い目をみることになる。
なぜなら、彼には職人としての人格しか備わっておらず、起業家・マネジャーという人格を大きく欠いてしまっているからです。
するとどうなるか?
職人として活動する時間に多くを奪われ、資金繰りや顧客のニーズの変化などを捉える重要な作業が疎かになり、破綻へと向かうことになるのです。
それだけではありません。自由を求めて起業したはずなのに、蓋を開けてみたらサラリーマン時代よりも多く働き、膨大なストレスがのしかかるという本末転倒なことにもなってしまうと。
だから、専門能力の高さ=起業成功率では決してないぞ。とガーバーおじさんは口を酸っぱくして言っているのです。
じゃあどうすれば、3つの人格のバランスを取れるのか?
この質問にたいしてガーバーおじさんは2つのアドバイスをしてくれています。
「一流企業のように経営をしろ」
「自分抜きでも経営が回るような仕組みをつくれ」
以上2点、ガーバーおじさんの有り難いお言葉です。
①一流企業のように経営をする?
マクドナルド、ディズニー、GEのように経営をしろと、おじさんは言います。
「一流起業にとって必要なことが、お前の事業に必要ないわけがない。」
つまりはそうゆうことです。例えば、サービスのフォローアップについて考えてみましょう。
まだ個人レベルで経営をしている場合、顧客の信頼を得たいがためにフォローアップを手厚くしがちで、断るという選択肢を持っていないことが多い。
しかし、どこかで線を引いて断ち切らないと、作業が雪だるま式に増えていき、利益に直結する新規顧客の開拓作業に力を注げなくなってしまう。
だからと言って、今まで行っていたフォローアップを、多忙を理由に打ち切ったりすれば、次は既存顧客からの信頼を落とすことになる。
「今までやってくれていたじゃないか!!!!」と。
信頼を得るために、行ったことが逆に信頼を落とすことになるという逆説的な結果を招いてしまうこともあるのです。
このような事態を防ぐためにはどうすれば良いのか?
フォローアップの基準を整備すれば良いのです。
際限なくフォローアップをしてくれる企業なんてこの世にはありません、特に一流企業に至っては。
フォローアップ可能な案件と、不可能な案件を、一流企業のように整備しておけば良いのです。確かに、マニュアルの整備によって、失う顧客もあるでしょう。
しかし、長期的な目線で見れば、サービスにムラをつくらないほうが有益であることは、おサルさんでも分かること。
これが、ガーバーおじさんの言う「一流企業のように経営をしろ」の意味なのです。これは、フォローアップに限った話ではありません。
おじさんは、社員がいない段階から、財務の責任を負うポストやクレーム対応の責任を負うポストが書かれた組織図もつくるべきと主張します。
それが一流企業のように経営するということなんだと。
②自分抜きでも経営が回るような仕組みをつくれ
ところで、数ある事業のうち、もっとも倒産確率が低いものは、なにか知っていますか。
そう、フランチャイズ事業です。
ガーバーおじさんは、このフランチャイズの考え方が事業にとって、めちゃくちゃ重要だと2000回くらい言っています。
フランチャイズの特徴と言えば、あれですね、誰がやってもサービスの質に差が出ないところ。
人間は質の高いサービスを好む、しかし、それ以上にサービスのムラを嫌うと、おじさんは言います。そして、このムラをなくすためには、作業マニュアルをつくることが必須であると。
人は、程度の差はあれど、習慣どおりに生活することを好みます。マクドナルドで注文をして、20分後に商品が出てきたら、もうブチ切れですよね。
だって、マックの商品は3分以内には提供されるという習慣があるのですから。商品自体の質に問題がなくても、それをサーブする仕組みに問題があれば、それだけで顧客満足度は落ちてしまう。
商品自体の質を上げることも、もちろん重要ですが、顧客というのはそれ以上に安定したサービスを望むのです。昨日してくれたサービスを、今日はしてくれないのに我慢ならない、それが人です。(犬とかだって同じですよね〜)
職人としての仕事に、熱中したいのはよくわかりますが、それを続けていては、どこかでしわ寄せがくることになる。
これを防ぐためには、マニュアルをつくり、自分が直接手を下さなくても事業が回るような仕組みをつくることが重要だと、ガーバーおじちゃんは繰り返し言っています。
反対に言えば、自分が抜けたら途端に成り立たなくなる事業なんて三流そのものだと。独り身ならまだ良いですよ、でも、守るべき家族や従業員がいたらどうするんですか。
あなたが居なくなった途端に、会社が傾いたら、多くの人が路頭に迷う可能性があるのです、それって起業家として、無責任すぎると思いませんか?
そうならないためにも、一流企業のように経営し、自分がいなくても事業が回るような仕組みを整えることが大事なのです。ガーバーおじさんの言うとおりね。
まとめると・・・
起業を成功させるためには、「起業家」「マネジャー」「職人」の3つの人格を備えている必要があると。
で、多くの人は職人の人格を優先して、事業を行ってしまうがために、失敗することになる。
これを防ぐためには、3つの人格のバランスを取る必要があって、そのためには「一流企業のように経営する」「自分がいなくても経営が回るような仕組みをつくる」ことが重要ということでしたね。
いずれも、対応した人間や、その日の気分で対応が変わらないために必要な、一種のマニュアル整備のような仕事ということです。
こうすることによって、人間が好む”安定したサービス”の提供が可能になり、顧客満足度が上がる、そして顧客満足度が事業の成功に繋がる。ということでした。
いかがですか?
起業の名著だけあって、内容は
です。興味がある人はぜひ一読してみてください。読む価値ありますよ。