コラムメモ

スティーブ・ジョブズは世界最高のCEOではない。

jobstataki

僕はスティーブ・ジョブズを世界最高のCEOとは思わない。もちろん生み出してきた作品は芸術品そのものであるし、一度沈みかけたAppleを世界最高の会社まで復活させた手腕には感服するしかありません。

しかし、問題はスティーブ・ジョブズが死んでから起きた。

1.ジョブズならこんなもの創らなかった!

Applewatch・IphonePlusの発売を始め、なにかを発表するたびに世間から「ジョブズなら・・・」と囁かれるようになった。世間の声の言う通り、ジョブズなら創らなかったのかもしれない。でも、大事なのはそのデバイスが本当に使えるものなのかどうかではないだろうか?

Appleは今もジョブズという亡霊に翻弄され、曇りの無い目で評価されることが叶っていない。出す作品出す作品、常にジョブズの哲学・美学と比較され、その信条に反すると考えられる作品が発表されるたびに「ジョブズならこんなものを創らなかった!」とマイナス評価を浴びる始末である。

会社が目指すのは、数世紀にも渡る存続であり、一代限りで表舞台から去ることではない。確かにスティーブ・ジョブズは素晴らしいイノベーターだと思う。でも、この会社の長期的存続という観点から見ると、僕の中での考えは少し異なる。特に気になるのは

2.ジョブズは目立ちすぎた。

ということである。一つ勘違いしないでほしいのは新作の発表(Keynote)やメディアで表舞台に出てきたことを批判しているのではない。僕がジョブズの誤りだったと思うのは「自分の哲学・美学を世に知らしめすぎた。」というところである。

その証拠に新製品が発表されるたびに「ジョブズならこんなもの許さなかった。」と、漠然とではあるがジョブズの好むと好まざるをユーザーが判断することができている。

「ジョブズならどんな製品を好んでつくると思う?」という質問に、多くのユーザーが、なんとなくではあるが答えられるのに対して「ビル・ゲイツならどんな製品を好んでつくると思う?」という質問に答えられる人は驚くほど少ない。

僕は、ビル・ゲイツのほうが経営者として正しいと思っている。良い製品は作り手が誰であろうと使われるわけであって、哲学や美学は商品を使う中で読み取っていけば良いと思うし、それらはあくまで言葉にできない、イメージのようなものであるべきだと思うのだ。

でもジョブズは自らをシンボル、発信者として、この美学・哲学を言葉にしてしまった。「シンプルこそ美しさ」だと。だから、IphonePlusも叩かれたのだ。「片手で使えないスマホなんてシンプルさが欠けている」と。

製品の善し悪しは、常にジョブズの哲学・美学と照らし合わせて決まるものではない。そのプロダクトが使い物になるかならないか、ただそれだけであり、それだけで判断すべきなのである。Appleの製品は芸術品に近い性質を帯びてしまった。全く同じ絵であっても、ピカソが書いたのか凡人が書いたのかでその評価が変わってしまうのと同じように・・・

3.CEOはあまり目立たない方が会社のためだと思う。

今回、僕が言いたかったのはこの一言に尽きる。CEOはやっぱり目立たない方が良いと思うのだ。

CEOが有名人になることで会社の名前が売れるというメリットはある。ただ、何事も中庸が肝要であって、露出を増やしすぎると、その会社は製品やサービスで判断されずにCEO、つまり誰が舵を握っているのかで判断されてしまうことになる。その典型がAppleだと僕は思う。

誰だって世に自分を知らしめたい願望があり、自分のつくった会社が世に知れ渡ることほど、自尊心を満たすものはない。しかし、度が過ぎると、会社は正当な評価を得ることが難しくなり、最悪の場合潰れることだってあり得る。(退任後に会社が潰れることほど自分の手腕を世に証明するものはないのだが・・・)

冒頭でも書いたとおり、会社の目指すところは恒久的な存続であり、目立ちまくっているCEOを見るたびに「長期的に考えたら本当に正しいことなのだろうか・・・」と考えている。

みなさんは、それでもスティーブ・ジョブズは世界最高の経営者だと思いますか?

あるぱか

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