コラムメモ

社会契約説をわかりやすく解説

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中学校くらいで習う社会契約説。僕らの生活があるのも社会契約説のおかげ!なんて言われるくらい重要なものです。ホッブス・ルソー・ロックの3人が提唱者として有名で、名前くらいは誰でも聞いたことがあるはず。

一言で社会契約説と言っても、御三家の考え方は微妙に異なっているのですが、今回はそのあたりの差異は無視してざっくりと社会契約説を学んでいきたいと思います。

1.「俺の安全を守ってくれ!」これが社会契約説の始まり。

社会契約とは、一言で言えば、自分の身の安全を守るための契約です。大昔はそれはそれは暴力的な世界で、仕返しなんかは個々の自由だったわけです。警察や裁判所もないから「いじわるされた!」ってだけで、相手をぶっ殺しちゃうこともできたわけです。

これを私刑(リンチ)と言います。自分の裁量で相手をどうするか決めれちゃうんですね。最近では取り囲んでボコボコにすることを意味しますが、本来の意味は自分の裁量で相手を裁くことです。

そんな世界どう思います?怖くないですか。だって、わざとじゃなくても相手に嫌なことをしてしまったら、仕返しでぶっ殺されるかもしれないんですから。なら、やられる前にこっちからやってやろう!って発想になりませんか?

このヒャッハー!汚物消毒だぜー!という世紀末状態を自然状態と言います。簡単に言えば野生動物みたいなもんです。野生動物は、自由に相手を殺せるでしょ。そして、その横暴を裁く者もいない。

「あぁ、こんな生活じゃいつ殺されるかわかんない・・・そうだ!犯罪を犯したやつを裁く権力をつくればいいんや!」ということで登場したのが社会契約説なのです。

2.私刑を放棄して自然状態から脱却

「私刑(リンチ)」というのは、裁判所の判断によらず、自分の裁量で相手を裁くことだと説明しました。で、私刑ってある意味、人間の欲望を満たしてくれるものなんです。

よくテレビとかで被害者が加害者に対して「殺してやりたい気持ちでいっぱいです・・・極刑を望みます・・・」と、唇を噛むシーンがありますが、自然状態なら私刑で自分の判断で相手をぶっ殺せるんですよね。

でも、現代でそんなことしたら逮捕されます。しかし、自然状態は些細な恨みに対して、殺人とかで報復しても裁かれない世界なんです。当然そんな世界では暴力こそが最大の正義となります。

だから、人間は政府や裁判所と言った第三者機関に「裁く権利」を預けて、悪いことをしたやつを罰してもらうことで暴力を抑止しようと試みたのです。

これを社会契約と言います。人間は社会契約説によって私刑(リンチ)という欲望のままに相手を裁く権利を放棄し、平和を得ようとしたのです。

3.共通点は「平和の希求」-ホッブズ・ルソー・ロック-

抵抗権があるだのないだの王権神授説がどうだの細かな差異はありますが、目的はただ一つ「平和の希求」です。自分たちはどうしたら平和な生活を送ることが出来るのか?と必死に考えた末、発案されたのが社会契約なのです。

よく「哲学とか古典とかって何の意味があるの?」と言われることがあるのですが、社会契約説なんかは今の生活を支えている基本原理と言っても過言ではありません。この記事をきっかけに少しは古典などを学ぶ意味を理解してもらえるのではないでしょうか。

4.余談:裁判員制度について

2008年から始まった裁判員制度。僕はこの制度に猛烈に反対なのです。その反対理由はここまで説明してきた社会契約説にあります。

”個人的な感情を排除して、客観的に相手を裁くのが裁判官”なわけで、感情で相手を裁く権利は社会契約で放棄しているはずなのです。

裁判員制度というのは、世論が妥当と考える刑罰と裁判官が下す刑罰とに差異があったことから設けられました。「絶対死刑だろこいつは!なのになんで無期懲役なんだ!」とね。

はっきり言って感情以外のなにものでもありません。裁判官はこの感情に左右されないために一生懸命勉強をして、公平な目を養うのです。そこに、法律もろくに知らないパンピーが感情論で刺さり込むのは断じて許されません。裁判官を愚弄しています。というより現代の成り立ちを愚弄しています。

僕たちは感情で相手を裁く権利を放棄する代わりに、第三者機関に刑罰を法律で決めてもらったり、法廷で裁いてもらったりしているのです。これが社会契約説で、そのおかげで今の生活があるのです。このことを決して忘れてはいけません。

あるぱか

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